【2026年10月1日改定】太陽光・蓄電池の電力申請は何が変わる?発電量調整供給契約・土地使用権原を解説
- 2026/08/27
最終更新:2026年8月27日
2026年10月1日から、東京電力パワーグリッド管内の高圧・特別高圧の発電量調整供給契約では、発電契約者からの申込みが厳格化されます。
また、非FIT・非FIP電源では、連系承諾後原則2か月以内に事業用地の使用権原を証する書類の提出が必要になります。
対象は系統用蓄電池だけではありません。高圧・特別高圧の非FIT太陽光も今回の発電量調整供給契約の案内に関係し、土地使用権原の新要件は非FIT・非FIP電源が対象です。
なお、「2026年9月10日から地権者同意が必須」という制度ではありません。
東京電力パワーグリッド管内で、非FIT太陽光発電や系統用蓄電池を開発している事業者は、2026年9月から10月にかけての電力申請スケジュールを早急に確認する必要があります。当社にも2026年8月27日、東京電力パワーグリッドから「発電量調整供給契約における発電契約者さまからの申込み厳守のお願い」が到達しました。
この記事では、今回の制度変更を「発電量調整供給契約」と「土地の使用権原」の2つに分けて整理し、太陽光発電・系統用蓄電池それぞれへの影響と、9月・10月の実務スケジュールを解説します。
Table of Contents
2026年10月1日から何が変わる?
今回の制度変更は、関連はしていますが同じ制度ではない2つの変更からなります。混同すると案件の準備を誤るため、最初に切り分けて整理します。
変更①|発電量調整供給契約:発電契約者からの申込みを厳格化
東京電力パワーグリッドは、2026年8月10日に「【高圧・特別高圧】発電量調整供給契約における発電契約者さまからの申込み厳守のお願い」を告知しました。今回の告知が対象としているのは、東京電力パワーグリッド管内の高圧・特別高圧の発電量調整供給契約です。対象は高圧・特別高圧、内容は発電契約者(小売電気事業者等)からの申込み厳格化、実務日程は9月11日17時・9月30日・10月1日です。
変更②|土地:事業用地の使用権原を証する書類の提出を要件化
もう一つが土地に関する変更です。非FIT・非FIP電源について、事業用地の使用権原を証する書類の提出が要件化されます。対象は非FIT・非FIP電源(FIT電源・FIP電源は除く)、期限は連系承諾後原則2か月以内、未提出の場合は連系予約が取り消される対象です。
この2つは同時期に運用が始まりますが、同じ制度ではありません。 申込主体に関する変更(変更①)と、土地の権利確認に関する変更(変更②)は、対象範囲も根拠も別です。
太陽光発電も対象?系統用蓄電池だけではない
はい。非FIT太陽光発電も対象です。
今回の東京電力パワーグリッドの案内は、系統用蓄電池だけを対象にしたものではありません。東京電力パワーグリッドは発電量調整供給契約を「非FIT・FIP」、すなわち非FIT電源およびFIP電源の窓口として案内しており、FITを利用せず市場売電・コーポレートPPA・オフサイトPPAなどを行う非FIT太陽光発電も、この手続きの対象に含まれます。
そのため、野立ての非FIT太陽光発電、オフサイトPPA・市場売電を行う太陽光発電所、非FIT発電所の開発案件、系統用蓄電池などでは、今回の変更を前提に事業スケジュールを組む必要があります。「系統用蓄電池のルール変更」と捉えるのは正確ではなく、非FIT電源・FIP電源を中心とした発電設備全体の系統アクセス規律が強化されていると捉えた方が実態に近いといえます。
系統用蓄電池の電力申請・系統連系|低圧・高圧BESSの手続き 野立て太陽光発電のEPC施工(Non-FIT・高圧連系・電力申請対応)9月11日・9月30日・10月1日の違い
9月11日は、申込みの締切ではありません。
現在申請中の案件には経過措置があります。ただし、「9月30日までに申込書を送ればよい」という意味ではありません。 不備の解消と系統連系保証金の入金まで完了して、はじめて受付完了として扱われます。
| 日付 | 電力申請上の意味 |
|---|---|
| 2026年9月11日 17時 | 不備解消を済ませておきたい重要な実務上の目安 |
| 2026年9月30日 | 不備解消+系統連系保証金の入金までの経過措置期限 |
| 2026年10月1日 | 発電契約者からの申込み厳格化 |
東京電力パワーグリッドは、9月11日17時までに不備のない申込みとなっていない場合、系統連系保証金の請求が9月30日までに間に合わない可能性があると案内しています。9月11日を過ぎたら受付されないという意味ではありませんが、申込みの集中や内容確認によって9月30日までに受付が完了せず、10月1日以降の新しい手続きによる再申込みになる可能性があります。したがって、9月中の受付完了を狙う案件では、「9月11日17時までに不備を解消する」ことを実務上の目安にするのが安全です。
土地書類は2026年に「2段階」で変わった
土地に関する書類は、2026年に段階的に変わっています。ここを区別しないと、実際に東京電力パワーグリッドが一度訂正した誤解を、そのまま繰り返すことになります。
2026年1月5日|事業用地に「関する」書類。接続検討・契約申込みの受付案件について、事業用地に関する書類(登記簿等の確認結果、所有者名、対応状況など)の提出が求められるようになりました。この段階では、使用権原の取得までは求められていません。
2026年10月1日|使用権原を「証する」書類。非FIT・非FIP電源について、事業用地の使用権原を証する書類の提出まで要件化されます。提出期限は連系承諾後、原則2か月以内です。
実は東京電力パワーグリッドは、2026年1月5日に一度「連系承諾後2か月以内の使用権原書類の提出」を案内したものの、1月8日に「現時点では上記書類の提出は必須ではありませんので訂正させていただきます」と訂正しています。そのうえで、8月10日の告知で「2026年10月1日に託送供給等約款を改定し、事業用地の使用権原提出の要件化を新たに規定する」と明記しました。つまり、「1月の“関する書類”」と「10月の“証する書類”」は別物です。
どんな土地書類が必要?
地権者の同意書だけでは足りない場合があります。
公的資料では、使用権原を証する書類の例として、土地の登記簿謄本、賃貸借契約書の写し等が示されています。確認されるのは、誰がその土地を所有しているのか、発電事業者がその土地を発電事業に使用できる法的な権利を持っているのかという点です。
したがって、土地所有者本人が発電事業を行う案件と、第三者から土地を借りる案件では、必要書類が異なります。自社所有地であれば土地の登記関係書類により所有関係を、借地であれば賃貸借契約等により土地を使用する権利を確認できる状態にする必要があります。
案件ごとに必要書類は異なります。「等」とされているため、案件の権利形態に応じた必要書類は、一般送配電事業者へ確認してください。
FIT・FIPとの違い
今回新設される土地の使用権原要件は、非FIT・非FIP電源が対象です。FIT電源・FIP電源は、この新しい要件の直接の対象ではありません。
| 電源 | 今回の土地使用権原要件 |
|---|---|
| 非FIT太陽光 | 対象 |
| 系統用蓄電池(非FIT・非FIP) | 対象 |
| FIT電源 | FIT制度側ですでに確認 |
| FIP電源 | FIP制度側ですでに確認 |
これは「FIT・FIPなら土地確認が不要」という意味ではありません。FIT/FIP制度を利用する電源については、すでに同制度の中で使用権原を証する書類の提出が求められているため、今回の系統アクセス上の要件からは除く、という整理です。
電力申請の進め方はどう変わる?
今回の変更により、非FIT太陽光や系統用蓄電池では、電力申請だけを単独で先行させる進め方が難しくなります。これまでは「まず接続検討と電力申請を進め、系統条件を見てから土地や売電先を固める」という考え方もありました。今後は、土地・発電契約者・資金・電力申請を一体で管理する必要があります。
実務上は、土地候補・所有者確認 → 接続検討 → 発電契約者の調整 → 契約申込み → 連系承諾 → 連系承諾後2か月以内に使用権原を確定 → 工事・連系、という順で管理するのが安全です(制度上の義務そのものではなく、推奨される管理フローです)。電力申請だけを先行させても、事業化できるとは限りません。
系統連系申請・電力会社協議・差し戻し対応 太陽光・蓄電池の電力申請代行当社に実際に届いた東京電力PGの通知
当社では2026年8月27日、現在進行中の案件について、東京電力パワーグリッドから「発電量調整供給契約における発電契約者さまからの申込み厳守のお願い」を受領しました。この案内は、発電契約者(小売電気事業者等)からの申込みと、2026年10月1日以降の手続きの厳格化を求める内容です。制度資料を読むだけでは判断しにくい変更ですが、実際に進行中の案件に対して通知が届いていることからも、9月から10月にかけての申請案件は早めの確認が必要といえます。
よくある質問
今回の変更は系統用蓄電池だけですか?
いいえ。非FIT太陽光発電も関係します。東京電力パワーグリッドの発電量調整供給契約は、非FIT電源・FIP電源を対象とする手続きで、太陽光発電も含まれます。また、新しい土地の使用権原提出要件は非FIT・非FIP電源を対象としています。
低圧太陽光も、今回の8月10日告知の対象ですか?
東京電力パワーグリッドの2026年8月10日の今回の告知は「高圧・特別高圧」と明記されています。低圧にも発電量調整供給契約の手続き自体はありますが、今回の9月11日・9月30日の経過措置を低圧にもそのまま適用できるかどうかは、当社が確認した公表資料からは判断できません。低圧案件は、管轄の一般送配電事業者に個別に確認してください。
2026年9月10日から地権者同意書が必要になりますか?
2026年8月27日時点で確認できる東京電力パワーグリッド・電力広域的運営推進機関・資源エネルギー庁の公表資料では、9月10日を施行日とする制度は確認できません。事業用地の使用権原提出要件の施行日は2026年10月1日です。
地権者から同意書をもらえば足りますか?
同意書だけで要件を満たすとは限りません。求められているのは「事業用地の使用権原を証する書類」で、公的資料では土地の登記簿謄本や賃貸借契約書の写し等が例として示されています。土地を発電事業に使用できる権利を確認できる資料が必要です。
FIT・FIP太陽光も、今回の土地使用権原要件の対象ですか?
今回新設される非FIT・非FIP電源向けの要件の直接対象ではありません。FIT電源・FIP電源では、すでにFIT/FIP制度の中で使用権原を証する書類の確認が行われているためです。
9月11日を過ぎると申請できませんか?
申請できなくなるという意味ではありません。ただし東京電力パワーグリッドは、9月11日17時以降は申込みの集中や内容確認によって、系統連系保証金の請求が9月30日までに間に合わない可能性があるとしています。9月中の経過措置を利用する場合は、早めの不備解消が重要です。
まとめ
2026年10月1日から、東京電力パワーグリッド管内の発電設備に関する系統アクセスの規律がさらに強化されます。ポイントは、関連はするが別物である次の2点です。発電量調整供給契約(高圧・特別高圧)は、発電契約者からの申込みが厳格化され、9月30日までの経過措置には不備解消と系統連系保証金の入金までの完了が必要です。非FIT・非FIP電源の土地は、連系承諾後原則2か月以内に事業用地の使用権原を証する書類(土地の登記簿謄本、賃貸借契約書の写し等)の提出が必要になります。
対象は系統用蓄電池だけではなく、非FIT太陽光発電にとっても重要な制度変更です。これからは「電力申請を先に取る」だけではなく、土地・発電契約者・売電先・資金・EPC・系統連系を一体で進めることがさらに重要になります。
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