太陽光・オール電化コラム

太陽光発電のメリット・デメリットを解説!

  • 2022/07/18
  • オール電化・家庭用太陽光発電
  • 家庭用太陽光
  • 家庭用蓄電池

本日は「太陽光発電システム」について解説します。

太陽光発電が普及している背景とは?

太陽光発電の市場は伸び続けている!

引用:JPEA(一般社団法人 太陽光発電協会)の資料より

再生可能エネルギー普及拡大を目指す中で、太陽光発電の役割は非常に高いです。上記のグラフは一般社団法人太陽光発電協会(以下、JPEA)が報告している資料から、「住宅用(10kW未満)太陽光発電導入件数」の推移を表したものになります。

JPEAによると2019年時点で太陽光発電の普及率は9%にまで上昇し、これは前年(2018)の8.3%から0.7%上昇しました。太陽光発電の普及は目安としては、2018年度以降は毎年度18万件ずつの増加が見込まれており、近年、どの導入件数はやや鈍化してきたものの、2030年には9.7%に達すると予想されています。

今、何故太陽光なのか?

太陽光パネル設置の義務化の話は2021年頃から出ておりましたが、2022年5月に東京都が新築住宅に太陽光パネル設置を義務付ける方針を固めました。この背景には、温室効果ガスの排出量を減らす脱炭素社会の実現があります。

脱炭素社会とは、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量“実質ゼロ”を目指す社会のことを指します。日本はエネルギーの自給率が先進国の中では低く、再生可能エネルギーの普及が喫緊の課題です。普及拡大を進展させていくためには、政府・事業者のみ努力するだけでは足りない状況です。そこで、小池都知事は「家庭の省エネこそ必要である」と会見にて発言されています。

脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギー普及拡大の取り組みは日本だけではなく、世界中で取り組まれている目標になります。例えば、2015年12月に、温室効果ガスの人為的な排出量と吸収源による除去量との均衡の達成を今世紀後半までに目指す「パリ協定」が発効されました。他には、エネルギーや経済成長と雇用、気候変動等の開発目標(SDGs)が国連にて採択されました。

このように世界的な「脱炭素」の動きが背景にあり、日本政府としても目標達成のために、本腰を入れて取り組んでいます。特に太陽光発電は2019年度、日本の発電量に占める再生可能エネルギー比率18%において、再生可能エネルギーの中で37%を占める主要なエネルギー源です。したがって、再生可能エネルギーの普及拡大を進展させるためには、太陽光発電の普及を推し進める必要があります。

太陽光発電の基礎知識を学ぶ

太陽光発電システムとは?

そもそも太陽光発電システムとは、太陽光エネルギーを太陽光パネルで吸収し、電気エネルギーへと変換して利用する仕組みを指します。一般住宅用に開発された小規模な太陽光パネルから事業者向けのメガソーラーまで、幅広く製品がラインナップされています。

【太陽光発電システムのイメージ図】

引用:JEPAのHPより

太陽光発電システムで必要なセクションは、主に2つです。1つ目は太陽光を受け止める「太陽光パネル」、もう1つは「パワーコンディショナー(以下、パワコン)」です。まずは、太陽光パネルについて説明していきます。

①太陽光パネル

太陽光パネルは「ソーラーパネル」「太陽電池モジュール」などとも呼ばれ、太陽電池を大量に繋げ合わせたものになります。繋がった太陽電池の最小単位は「セル」と呼ばれます。

また、太陽電池の半導体素材にはシリコン系、化合物系や有機系などが挙げられます。現在では生産されている太陽電池の8割がシリコン半導体になります。太陽光が太陽電池に当たると半導体の電子が動きます。そうすることで、太陽光エネルギーから電気エネルギーに変換されます。一般家庭向けの太陽光パネルでは、基本的に建物の屋根に設置されることが多いです。パネルに照射される日光量が多ければ多いほど、発電量も増加していきます。

【モジュールの種類】

②パワーコンディショナー

電気には「直流」と「交流」の2種類が存在します。太陽光パネルで変換した電気エネルギーは「直流」になるため、家庭内で使用するには「交流」に変換する必要があります。そこで「直流」を「交流」に変換して、一般家庭で使用出来る電気にする為の設備がパワコンになります。つまり、太陽光発電システムは「太陽光パネル」だけでは足りず、「パワコン」と同時に設置することでその効果を十分に引き出すことができるのです。

上記のような、「変換機」としての役割に加えて、「調整役」としての役割も担っています。蓄電池や電気自動車(EV)への充電や、余剰電力を売電する時に安定した出力になるように調整しています。

パワコンは一般的にブレーカー付近など人の目につきにくい外部に設置されることが多いため、なかなかイメージが付きにくい方もいらっしゃるかと思います。

太陽光発電のメリットを解説!

太陽光発電システムのメリットを3つほど紹介していきます。

1つ目は「電気代削減効果がある」、2つ目は「売電収入が得られる」、3つ目は「停電対策効果がある」ことです。それぞれ解説していきます。

メリット①:電気代削減効果

太陽光発電でつくった電気を自宅で使う「自家消費」をすることで、電気代を削減することができます。自家消費の場合、平均的な家庭で試算すると、約5万円電気代がお得になります。

太陽光発電協会(JPEA)によると、設置パネル容量1kWあたり年間約1,000kWh~1,200kWhの発電ができると発表されています。天候や設置条件によりますが、例えば4.5kWの設置容量であれば、年間4,500kWh~5,400kWhも発電する計算になります。

環境省によると、一般家庭の年間消費電力量は4,322kWhのため、計算上はそのほとんどを自家消費で賄うことが可能です。但し、実際には太陽光でつくった電気のうちおおよそ30%が自家消費に回されます。

仮に年間5,000kWh発電すれば、そのうち1,500kWhが自宅で消費されるということです。これを電気代で考えると、39,000円相当になります。あくまでも一例ですが、試算上、1年あたり39,000円相当の電気代を節約していることになります。

■自家消費による経済メリットの計算

年間自家消費量1,500kWh × 26円/kWh(※) = 39,000円/年

※東京電力従量電灯B第二段階

上記の結果はあくまでもシミュレーション値になります。実際、いくらお得になるかは電気料金プランや電気の使い方、設置する太陽光発電システムの容量、種類などによって異なりますので、専門家に相談するのがベストでしょう。

メリット②:売電収入が得られる

太陽光発電で生み出した電力は、自家消費だけでなく電力会社に売ることができます。発電された電力は一定期間固定の価格で買い取ってもらえるため、「電力固定価格買取制度(FIT)」と呼ばれています。2022年現在、その売電単価は17円/kWhになります。FIT制度が始まった年以前では、その買取単価は48円/kWhでした。

一般的に太陽光でつくった電気の70%が売電に回ります。したがって、先程の例で言えば、年間5,000kWh発電しているため、そのうち3,500kWhを電力会社に売っています。売電単価が48円のご家庭であれば、年間168,000円もの売電収入があった試算になります。これは設置から10年間は固定価格での買い取りが保証されます。

メリット③:停電対策効果がある

太陽光発電を設置していれば、万が一災害や停電が発生した場合でも、自宅での避難生活を続けることができます。日光があれば電気をつくることができるため、発電所からの電力供給が停止されても、昼間は冷蔵庫やエアコンなど稼働することができます。

これに加えて、蓄電池があれば、太陽が出ていない時間帯であっても貯めた電気を家庭で使うことができるため、より安心感に繋がります。避難所の生活はストレスが溜まります。太陽光発電があれば、災害時でも自宅で過ごすことができます

太陽光発電の選び方とメーカーを紹介!

太陽光発電を選ぶ5つのポイントとは

昨今、多くの商品がラインナップされていて、どのパネルを選べばいいか迷います。そこで、太陽光メーカーを選ぶ際に注目していただきたいポイントは下記の5つです。

  • 発電効率

発電効率とは、太陽光をどのくらい電気エネルギーに変換することができたかを示す値になります。これはメーカーによって発電効率に差があるため、各社の数値を事前に調べておきましょう。一般的に太陽光パネルの発電効率は13%-20%程度であり、20%を超えると高性能な商品と言えます。この値が高ければ高いほど、発電量は多くなります。したがって、少ないパネル枚数でも多くの電気をつくることができます。

  • 耐久性

太陽光パネルは屋外に設置するため、耐久性が低いと台風や強風などで破損してしまう可能性もあります。一般的に太陽光パネルの寿命はおよそ20~30年です。奈良県にある壺阪寺に設置されたパネルは、30年以上も稼働しました。出来る限り長期間活用するためにも、パネルの強度が高いメーカーを選ぶようにしましょう。

太陽光パネルの寿命は「20〜30年」ほどと言われていますので、できるだけ長く活用するためにもパネルの強度が高いメーカーを選びましょう。

  • 価格

予算に合ったパネルを選ぶことも大切です。高性能な製品を扱っているメーカーであれば安心ですが、パネル1枚当たりの価格が高くなる傾向にあります。当然、同程度の性能を持っていても価格が比較的に安いケースもあります。

  • サイズ

パネルの大きさは各社によって異なります。屋根や設置スペースに適したパネルをラインナップしているメーカー選びも重要です。屋根に載せられるパネルの枚数には限界があります。限られたスペースで十分な発電量を生み出すためには、屋根の隅々まで設置できるものを事前に調べておきましょう。

  • 悪天候時のパフォーマンス

曇りや雨といった悪天候時でも安定した発電量を保てるかどうかもポイントになります。多くのメーカーは晴天時の日照量を基準に性能を公表しています。そのため、雨天時にも安定して発電できるかは、カタログを読むだけでは分かりません。したがって、実情を知っている専門家に事前に聞いておくことが必要でしょう。

オススメの太陽光メーカー5社を紹介!

国内で人気の高い大手メーカーを5社まとめて比較いたしました。それが下記の表です。

【各社メーカーの代表商品の比較表】※2022年7月現在

メーカー SHARP Panasonic カナディアンソーラー 長州産業 Qセルズ
型番 NQ-254BM VBM300EJ02N CS3L-375MS CS-333G51 Q.PEAK DUO-G9 355
最大出力 254W 300W 375W 333W 355W
発電効率 19.0% 20.1% 20.3% 20.3% 20.6%
サイズ (縦×横×奥行) 126.5×105.5×4.6cm 142.4×104.8×3,5cm 176.5×104.8×3.5cm 163.4×100.3×3.5cm 167.3×103×3.2cm
重量 16.5kg 17kg 20.5kg 17.7kg 19kg
保証期間 システム保証15年 出力保証20年 システム保証15年 出力保証25年 システム保証15年 出力保証25年 システム保証15年 出力保証25年 施工保証10年 システム保証15年 出力保証25年

上記の表をもとに、簡単にではありますが各社メーカーの強みも紹介していきます。

①SHARP

SHARPは日本の太陽光発電をけん引してきた老舗メーカーになります。SHARP製の太陽光パネルを設置しているご家庭は多く、その販売実績も非常に高いメーカーになります。多くのタイプの製品を揃えており、基本的にあらゆる形状の屋根に対応しています。

大きさの異なる太陽光パネルを組み合わせる「ルーフィット設計」により、お家の屋根に多くのパネルを設置することが可能です。高い発電力を重視している人、パネルの設置数を最大限にしたい人、充実した保証を受けたい人はシャープがおすすめです。

②Panasonic

SHARPと同様に、太陽光メーカーとして40年以上の歴史を持ち、豊富な施工実績に裏打ちされた安全性と信頼性が最大の強みになります。耐久性の高さを証明するために、風速60mでの台風試験や耐震試験など日本の環境に合わせた実験を行いクリアしています。

太陽光パネルの性能も高く、パワコンや蓄電池の種類も豊富にあります。もし迷ったらパナソニックを選んでおけば失敗することはないでしょう。

③カナディアンソーラー

カナディアンソーラーはカナダの太陽光メーカーになります。その強みとしては、20.3%と高い発電効率と価格の安さで人気です。国内大手メーカーの知名度が高いですが、カナディアンソーラーは全世界150か国以上で導入実績があります。日本国内でも太陽光メーカーとして、その知名度は上がってきています。

価格に対する性能の高さは頭一つ抜けています。出力375W、発電効率20.3%に対して、23万円/kWを切る商品があります。そのコスパの良さが評判になっています。

④長州産業

長州産業は太陽光パネルの製造工程のすべてを自社で行っています。その高い技術力により、発電効率は業界でもトップレベルの20.3%となっています。主力商品である「プレミアムブルー」は、通常取り込めない紫外線まで発電に利用できたり、温度上昇を抑えることができるため真夏でも安定して発電できたりします。

無料で10年の保証期間が適用されることも長州産業の強みです。施工後の屋根のトラブルなども無償で対応してもらえるため、施工後も長期間にわたって安心して活用することができます。

⑤Qセルズ

Qセルズはドイツ生まれの太陽光メーカーになります。特徴としては、曇りや雨の日でも発電効率が落ちにくいことです。また、その発電量の多さも特筆すべき点です。「Q.ANTUMテクノロジー」と呼ばれる特殊なセルを採用しており、取り込んだ太陽光をパネル内部で何度も反射させることで発電量を大幅にアップすることに成功しています。

また、劣化のスピードも遅く、25年経過しても82.6%の出力を保証しています。(※一般的に1年経過するにあたり1%劣化すると言われています)長期間に使用しても非常に高い発電量を出すことができます。

以上、人気大手メーカーを5社紹介してきました。メーカーごとに得意な分野や特徴がありますので、しっかり理解してご家庭に合った太陽光パネルを見つけてください。もし分からないことがございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。