太陽光・オール電化コラム

工場・オフィスの電気代削減手法

  • 2022/12/09
  • 自家消費型太陽光発電
  • 自家消費型太陽光

皆様は自社の電気代について見なおされたことはありますか?

年々上昇を続けている電気代ですが、特に直近では高騰が進んでおり、電気代が大きな費用負担となっている状況です。そのため、これを機に電気代の削減について検討されている企業の方も多いのではないでしょうか?

実は、様々な手法を用いることで電気代を大きく削減することが出来るだけではなく、今後の高騰リスクを回避することが出来ます。

今回は、電気代についてその仕組みから削減のための手法までご紹介させていただきます。

是非、最後までご覧ください。

電気代の仕組み

電気代の削減手法についてご説明する前に、まずは電気代の仕組みや直近の電気代高騰の要因について理解しておく必要があります。

そこで、まずは電気代の仕組みについてご説明いたします。

一般的に、電気代とは下記4つの料金について合算されたもののことを指します。

基本料金定額制の基本料金であり、同時に使用する電力量の最大値によって決定される
電力量料金1kWhごとに定められている料金であり、使用した電力量によって変動する料金
燃料調整費1kWhごとに定められている料金であり、火力発電のための燃料の価格によって反映される(毎月変動あり)
再エネ賦課金1kWhごとに定められている料金であり、FIT制度によって電力会社が買取するのに要した費用を電力使用量に応じて需要家が負担する(年度ごとに改定)

上記のように、電気代は「基本料金」「電力量料金」「燃料調整費」「再エネ賦課金」の4つで構成されており、これは企業においても家庭においても同じ仕組みです。

このうち、料金の中でも近年の電気代高騰の要因となっているのが、「燃料調整費」と「再エネ賦課金」です。これらの高騰により、企業における電気代のコスト負担は日に日に重くなっています。

昨今の電気代高騰の要因

ここまで、電気代の仕組みと近年の高騰の要因について簡単にご説明しましたが、ここではそれぞれの高騰の要因についてもう少し詳しくご説明いたします。

燃料調整費の高騰

要因の一つ目は燃料調整費の高騰です。

燃料調整費は火力発電で使用する燃料の費用が電気代に付加されて請求されるもので、その価格については、燃料調整費制度にて定められています。

燃料調整費制度では、原油・LNG・石炭の直近3か月間の貿易統計価格に基づき、毎月平均燃料価格が算定されます。過去の貿易統計価格によって設定された基準燃料価格よりも平均燃料価格が上回った場合はプラス調整、下回った場合にはマイナス調製され請求されるという仕組みです。

2011年の東日本大震災以降は原子力発電の停止影響を補うための石油火力やLNG火力の発電量増加に伴い、値上げが相次ぎました。その後、米国でのシェール革命によって原油価格は引下がり、電気料金も下降に転じましたが、2016年度以降の原油価格の再上昇したことで、電気料金も上昇しました。

上のグラフは、直近の東京電力における燃料調整費の推移グラフです。

2021年8月時点では燃料調整費は-3円/kWhでしたが、そこから上昇を続けており2.64円/kWhにまで高騰しています。

化石燃料を海外からの輸入に頼っている日本では、今後も化石燃料の調達が難航することが予測されるため、この高騰の波は今後も継続する見込みとなっています。

再エネ賦課金の上昇

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」とは、「FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)」によって電力会社等が買取りに要した費用を電気の使用量に応じて需要家に請求するというものです。

そのため、FIT制度を活用した発電所が増えれば増えるほど、再エネ賦課金は上昇するという仕組みになっています。再エネ賦課金は毎年価格改定が行われており、制度開始当初からの価格の推移は以下のグラフの通りです。

制度開始当初の再エネ賦課金額は0.22円/kWhでしたが、2022年度には3.45円/kWhまで上昇しており、10年間で約16倍にも跳ね上がっています。そして、この価格上昇は今後も続いていくことが予測されます。

電気代を削減するために取り組むべきこと

ここまで、電気代の上昇要因についてご説明いたしました。

燃料調整費や再エネ賦課金に関しては、今後もしばらくは上昇が見込まれており、ただ「待っている」だけでは、電気代が下がるのはしばらく先の話になってしまいます。

それだけではなく、今後も高騰が続くとなれば、非常に多額の費用負担を強いられる可能性もあります。

そのため、今から電気代の削減のために取り組みを行う必要があります。

では、電気代削減に取り組む上で、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか?

電気代削減に取り組む上で重要なのは、「電気を買わない」ということです。

当たり前ではありますが、電力会社から購入する電力量が大きくなれば大きくなるほど、掛かる電気代は高額になっていきます。そのため、購入電力量を極力抑えることが重要となります。

電気代削減手法3選

では、電力会社から購入する電力量を極力抑えるとなった場合、電気代削減においてどのような手法が有効となるのでしょうか?

ここでは、電気代削減に効果のある3つの省エネ・再エネの手法についてご紹介します。

省エネ設備

まず、最初に電気代の削減手法として考えられるのが省エネ設備の導入ではないでしょうか?

主な省エネ設備として挙げられるのが、高効率空調やLED照明などです。

夜間も作業をしている工場などでは、「つけっぱなし」が起こりがちです。そのため、「つけっぱなし」になりがちなエアコンや空調などを消費電力量の少ないものに置き換えることで、電力使用量を一定程度削減することが出来ます。

例えば、60Wの白熱灯をLED照明に置き換えることで85%の節電効果を得ることが出来ます。また、電気代削減とは関連しないものの、LED照明は寿命が長いため、照明設備を交換する頻度が減ることによるメンテナンス費用の削減なども期待できます。

また、LED照明や高効率空調などを導入しなくても省エネを行うことは可能です。

  • ビニールカーテンを設置する
  • サーキュレーターを設置する
  • メンテナンスを定期的に行う

これらの内容を徹底して実施することで、大きな費用を掛けずに電気代削減をすることができます。

エネマネ設備

EMS(Energy Management System)と呼ばれるエネルギーマネジメント設備を導入するのも有効な電気代削減手法の一つです。EMSを導入することで、企業のエネルギーの使用状況を見える化した上で分析を行い、不要な設備の電気使用量を抑えることが出来ます。

また、工場向けにはFEMS(Factory Energy Management System)というものが存在しており、生産設備のエネルギー管理なども行うことが出来ます。

自家消費型太陽光発電

電気代削減を行う上で非常に効果的なのが、自家消費型太陽光発電の導入です。

自家消費型太陽光発電は、これまでご紹介した消費電力量を抑える設備とは異なり、電力を自社で創る設備です。そのため、自家消費型太陽光発電で発電した電力分は電力会社から購入する必要が無くなります。

また、日中の最大電力使用量を抑えることが出来るため、契約電力の引き下げも同時に実現することが出来ます。

おすすめの電気代削減手法

ここまで、様々な電気代の削減手法についてご説明させていただきました。では、実際にこの中でより効果的な電気代削減手法はどれなのでしょうか?

おすすめさせていただきたいのは、自家消費型太陽光発電の導入です。

先程もご説明しましたが、自家消費型太陽光発電を導入することで、電気を自社で創ることが出来るようになるため、根本的な電気代削減となります。

また、大きな発電容量の太陽光発電を蓄電池と共に導入することで、電力会社から電気を購入する必要がなくなり、電気代0円を実現することも可能です。

さらに、太陽光発電は発電時にCO2を排出しないことから、自社の脱炭素化への取り組みを同時に実現することも可能になります。その他にも、自家消費型太陽光発電を導入することでBCP対策や遮熱効果など様々なメリット享受することが出来ます。

是非、皆様も電気代高騰の対策として自家消費型太陽光発電の導入をご検討ください。

本日も最後までご覧頂きありがとうございました。