太陽光・オール電化コラム

蓄電池の寿命(サイクル数)について

  • 2022/06/02
  • 家庭用蓄電池

本日は「蓄電池の寿命(サイクル数)」について解説します。

蓄電池の購入ポイントの1つである寿命(サイクル数)。皆さまは「どのくらいの期間、蓄電池って使えるの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。住宅用蓄電池もかたちのあるものですから、いつかは使えなくなったり、壊れたりします。つまり、蓄電池にも寿命があります。

「太陽光発電が30年使えるから、蓄電池も同じぐらい使えるのでは」や「寿命がきた後も使えるの?」といったご質問はよくお伺いします。したがって、本記事では蓄電池がどのくらい長く使えるのか、その寿命について取り上げさせていただければと思います。

ぜひ最後までお読みください!

寿命を示すサイクル数とは?

GoogleやYahoo!の検索窓にて、「蓄電池 耐用年数」と調べますと、「法定耐用年数」といった単語が一緒に結果として出てくることがあります。この「法定耐用年数」とは、製品の実際の寿命に関係するものではなく、「国税庁が固定資産税を計算するために定めた年数」を指します。具体的に言えば、蓄電池の法定耐用年数は6年になっています。

法定耐用年数について、冷蔵庫も蓄電池と同様6年になっており、カーテンは3年、時計は10年など資産(製品)ごとに年数が決まっているものになります。このように法定耐用年数は製品ごとで決まっていますが、実際、カーテンは3年以上使うことができますし、冷蔵庫も6年以上使われているご家庭が多いかと思います。当然、家庭用蓄電池も6年以上使用することができます

「法定耐用年数」はあくまで国税庁で”定められたもの”になりますので、本来の寿命とはあまり関係してきません。そこで、寿命を表す概念として「サイクル数」が参考になります

「サイクル数」とは、蓄電池に電気を貯めて使うという充放電を1サイクルと定義し、充放電のサイクルを何回まで繰り返せるかを示した数字です。例えば、サイクル数が60の蓄電池であれば、60回充放電をすることができる蓄電池であり、1日1サイクルとして計算すると約2か月使えるので、2か月の寿命の蓄電池だと言えます。

「0%→(充電)→100%→(放電)→0%」この充放電で1サイクルと定義されるため、1日の使用が1サイクルに満たない場合もあります。例えば、外出をしていてあまり電気を使わなかった時などがそれに相当します。

したがって、蓄電池の寿命は必ずしもサイクル数でぴったりと計算できる訳ではなく、ご家庭の蓄電池の使い方によっては寿命に差が開くことがあります。

上記の理由から「○○○○サイクル数だからこの蓄電池は〇年の寿命である」と決めることはできません。しかし、だいたいの蓄電池の寿命を計算するのには、先ほどの様に、1日あたりのサイクル数を1回として数えれば、期待寿命を計算することができます。例えば、サイクル数が8,000サイクルの蓄電池であれば、8,000サイクル ÷ 365日 = 21.9……≒ 約22年と、約22年は使用できそうだ、と想定できます。

サイクル数は蓄電池のカタログなどに記載があり、メーカーが設定をしています。最近ですと12,000サイクルといった長寿命な製品も発売されるようになりました。例えば、12,000サイクルだと……12,000サイクル ÷ 365日 =32.87……≒ 約32年と、理論上は30年を超える製品も出てきているという訳です。

ただし、サイクル数については公表を避けているメーカーもあります。また、お伝えした22年、32年という寿命はあくまで「(理論上の)期待寿命」になります。太陽光発電などは一番古い製品の製造から既に30年以上経過しており、30年以上稼働している製品が実在しますが、蓄電池は世に出てからまだ新しい商品です。家庭で実際に導入されてから20年~30年経っておらず、まだ理論上での期待寿命としかいうことができないんです。

そこで、蓄電池の寿命の目安としてもう1つ考えられるものが「メーカー保証年数」になります。

もう1つの寿命を表すメーカー保証年数とは?

蓄電池のメーカー保証では、メーカーの基準通りに使用していたにもかかわらず、故障や不具合が発生した場合にメーカーが無償で交換・修理をしてくれたり、メーカー保証年数以内であるにもかかわらず、蓄電池の容量が保証容量以下になったとき、メーカーが無償で保証してくれたりします。

蓄電池は電気を貯める商品ですので、どれだけ電気を貯められるかという容量の保証は、使える年数の保証にも非常に近いものとみなされます。各メーカーによって、無償・有償の違いはありますが、どのメーカーもだいたい10年もしくは15年を保証年数として設定しています。

上述から、10年・15年が蓄電池の寿命の1つの目安になります。例えば、オムロンの住・産共用フレキシブル蓄電システム「KPAC-Bシリーズ」では、HPに「何度繰り返し充放電しても15年後も容量70%以上を保証」と記載されています。この例のように、保証年数(15年)と保証容量(70%以上)をそれぞれのメーカーが定めています。

「保証期間の10年・15年が終わったら、蓄電池は使えなくなるの?」や「サイクル数6000回分充放電し切ったら、その日から全く使えなくなるの?」といった疑問もお伺いすることがありますが、結論、そんなことはありません。

蓄電池も電化製品ですので、もちろん経年劣化は起こります。蓄電池の場合ですと、貯められる容量の減少になります。保証期間の10年・15年がきても、いきなり貯めれる容量が0になってしまうわけではありませんので、経年劣化(容量の減少)はあっても、問題なくお使いいただくことが可能です。

私たちが普段使うスマートフォンも同様に、バッテリーにリチウムイオン電池が採用されています。スマートフォンを何年間も使っていると、充電の減りが早くなるといったご経験がある方はイメージしやすいかもしれません。これも経年劣化により、充電できる容量が少なくなっているため、そもそも本来の容量分貯めることができません。

蓄電池を長持ちさせる方法とは?

蓄電池をできるだけ長持ちさせたいと考えるのであれば、充電方法を意識することがとても重要になります。蓄電池は、「過充電・過放電」を避けることが長持ちさせるコツとなりますので、できるだけ「小まめに充電する」ことがポイントです。

特にリチウムイオン蓄電池に言えることではありますが、容量限界まで電気を使用するのではなく、小まめに充電して使うという方法が長持ちのコツだと言われています。また、容量を超えて充電し続けるという行為も注意する必要があります。充電容量を超えているのに充電し続けた場合、電気内で電気の飽和が発生してしまうため、自動的に放電するようになり、放電状態が続くことで、結果として寿命の低下を招いてしまうのです。

こういった普段の生活における蓄電池の充・放電の仕方は寿命に直結するので覚えておきましょう。ちなみに、普段皆さまもお使いのスマートフォンでも同様なことが言えますので、寝る前には100%充電しておき、朝まで充電コードを指したまま寝るのは避けるのが長持ちの秘訣です。

本記事では蓄電池の「寿命」について取り上げました。太陽光発電が30年以上長く使えるのと一緒に、蓄電池もできるだけ長く使いたいと思われる方は、蓄電池の寿命を示す「サイクル数」や「保証年数」を確認すること、そして、「長持ちさせるコツ」も覚えておきましょう!

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。