太陽光・オール電化コラム

電気代高騰の背景とは

  • 2022/06/02
  • オール電化・家庭用太陽光発電

本日は「電気代の高騰」について解説します。

最近、新聞やテレビなどメディアにて電気代の高騰についてよく見聞きするのではないでしょうか。特に、ウクライナ情勢による電気代への影響は避けられないでしょう。

しかし、電気料金の値上げは今に始まったことではありません。コロナや寒波による電力需要増加により、「電気料金の値上がり」は繰り返し起きています。それでは、何故このように電気料金は上がったり、下がったりするのでしょうか?

本記事では「電気代の仕組み」から「電気料金高騰の背景」まで解説した内容になっています。ぜひ最後までお読みください。

電気料金の内訳について“正しく”理解する

電気代の上昇について考える際は、まずは「電気料金の内訳」について学ぶ必要があります。私たちが普段使用している電気は、発電所から作られた電気を電力会社から購入することで使うことができます。

その基本的な内訳は下図になります。電力自由化によって多くの会社が電力事業に参入したため、現在は様々なラインナップがありますが、基本的に「①基本料金+②電力量料金+③再エネ賦課金」で構成されています。

参照:資源エネルギー庁HPより(https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/stracture/spec.html)

電気代の内訳で思い浮かぶのは、恐らく①、そして、②の中でも「電力量料金単価×1か月の使用電力量」の部分ではないでしょうか。しかし、あまり認知されていなのが「燃料費調整単価×1か月の使用電力量」と「③再エネ賦課金」です。

「燃料調整費って聞いたことあるけど、その仕組みまではよくわからない…」

「再エネ賦課金ってなに?」

とお声をいただくことは沢山あります。

以下、資源エネルギー庁HPに掲載されている定義を載せておきます。

「燃料調整費」とは、”電気をつくるために必要な燃料(原油・LNG・石炭)の価格は、市場や為替などの外部要因により変動します。燃料費調整制度は、これらの価格変動に応じて電気料金を調整する仕組みです。全日本平均の輸入燃料価格の変動に応じ、毎月、自動的に電気料金の調整を行います。”(資源エネルギー庁HPより引用)

要するに、燃料費が高くなれば調整費の単価が上がり、逆に安くなれば調整費の単価は下がります。言い換えれば、「燃料費が高くなれば皆さまに負担してもらいます。安くなれば皆さまの負担を軽くします」ということです。

一方、「再エネ賦課金」とは再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度(以下、FIT制度)の資金になります。電力会社が買い取る費用の一部を全国民から賦課金という形で集めたもので、この制度により再生可能エネルギーの普及を促進しています。(※詳しくは後述いたします)

電力自由化によって電気代は下がったの?

まずは電気料金に関する現状を確認してきます。2016年4月以降、電気の小売業への参入が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。記憶に新しいかと思いますが、いわゆる、「電力自由化」です。

電力自由化の目的は、「①電力の安定供給を確保する」「②電気料金を最大限抑制する」「③電気利用者の選択肢を増やし、企業の事業機会を拡大する」ことの3つになります。特に③は2021年度時点で新電力会社が700社超に膨らみ、大手電力会社の寡占構造を崩しました。

しかし、1番私たちの関心がある②は実現できているでしょうか。恐らくほとんどのご家庭で実感していないと回答されるでしょう。では実際に、2016年以降の電気代の推移を見ていきましょう。下記のグラフは電気代料金平均単価の推移を表したものです。

 

参照:資源エネルギー庁HPより(https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2020/002/)

上図を見ると、東日本大震災以降、電気代平均単価は上昇していることが分かります。2014年〜2016年は下落傾向にありましたが、2017年から再び上昇傾向にあります。電力自由化前の2016年と2019年を比較すると、結果的にはなんと電気料金の単価は9%上昇しているのです。

実際に各電力会社が毎月報告する電気料金の推移を参考に資料を作成しました。電力自由化前後で、各社が公表する一般家庭モデルが変更されたため、2016年直後では大幅に下落しているように見えます。しかし、資源エネルギー庁が発表しているように、変更後の2016年と比較すると、平均単価は上昇傾向にあることが読み取れます。

 

上昇傾向の理由は主に2つあります。1つは「原油価格の上昇」、そして、もう1つが「再エネ賦課金の上昇」になります。前者は短期的、後者が長期的な値上がりの主な原因となります。

“短期的”な電気代の高騰理由

ニュースなどでよく聞き馴染みのなる「電気代高騰」は短期的な値上がりのことを指すことが多いようです。ここでは「短期的」は数か月から2〜3年未満と定義しておきます。電気代が短期的に上がる原因は主に「仕入れ価格」の上昇です。つまり、燃料(原油・LNG・石炭)の価格です。

参照:資源エネルギー庁HPより(https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2021/002/l)

上図は2011年〜2021年までの燃料費の価格推移を表したグラフです。直近、2年間を見ると、コロナによる「巣ごもり需要」により電力消費量が増加したこと、燃料を運ぶ船が停船する場所でクラスターが発生したことによる運送上の遅延、例年に見ない大寒波などの理由が重なり、価格が高くなりました。

これを踏まえると、ウクライナ情勢の影響による電気代高騰の理由が見えてきます。日本はエネルギー資源が豊富な国ではありません。海外からの化石燃料の依存度はほぼ100%に近いです。ちなみに、ロシアからのLNGの輸入比率はおよそ7.2%、石炭は12.0%、原油は2.9%です(2019年時点)。

参照:資源エネルギー庁HPより(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyissue2020_1.html)

この調達量が減少すれば、日本の電力消費量を賄うには、他国から購入する必要があります。また、購入できたとしても確保するために国内の多くの商社や電力会社が購入することになります。

したがって、化石燃料が欲しい人が増えれば増えるほど、その価格は上がっていきます。この燃料価格が上がれば上がるほど、燃料調整費の単価も上がっていきます。これが「短期的な」電気代高騰の主な理由となります。

“長期的”な電気代の高騰理由

長期的な電気代の高騰の主な理由は、結論、「再エネ賦課金」が原因となります。「再エネ賦課金」とは「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の略称になります。再エネ賦課金は全国民が支払っているものとなりますが、その仕組みを理解するためには「固定価格買取制度」を知っておくと分かりやすいです。

「(再生可能エネルギーの)固定価格買取制度」とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度になります。

参照:資源エネルギー庁HPより(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html)

制度が施行された2012年以降、再エネの設備容量は上がり続けており、制度の効果が表れています。下記のグラフの通り、2012年以降の年平均伸び率は18%と右肩上がりです。

参照:資源エネルギー庁HPより(https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2020/002/)

しかし、発電された電気を買い取る費用は電力会社がすべて負担しているわけではなく、再生可能エネルギーで発電された電気を電力会社が買い取る資金の一部は、私たち全国民の電気代から徴収されています。これが「再エネ賦課金」です。

上述しましたが、私たちが毎月支払っている電気料金の中には、「再エネ賦課金」と呼ばれる項目がありますので、ぜひ電気料金明細書を確認してみてください。

参照:資源エネルギー庁HPより(https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2020/002/)

それでは、なぜこれが長期的な電気代上昇の原因と言われているのかを紐解いていきます。下記のグラフを見てください。

参照:資源エネルギー庁HPより(https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2020/002/)

上図は固定価格買取制度導入後の賦課金の推移を表したものです。賦課金単価が毎年上昇しています。

この上昇理由は、再エネ設備の導入が増加し、同時に買取費用もその分増加しているためです。

再エネの固定買取制度は、太陽光の容量によって買取保証期間が異なります。一般的に設置してから住宅用では10年、産業用では20年になります。したがって、制度施行の時期を踏まえると、最低2030年まではこの「再エネ賦課金」の単価は上がり続けると言われています。

実は長期的に電気代が上昇し続けている原因はこれなのです。太陽光を設置されているご家庭では再エネ賦課金を支払っている以上のメリットがでているため問題ありません。

しかし、そうではないご家庭だと支払っているだけなので、いわゆる「応援させられている立場のみ」になってしまうのです。

せっかく太陽光を付けているのであれば、もっと有効活用したいという人が今、続々と蓄電池も一緒に導入されています。自家消費することで賢く電気を使いたい、そして、万が一の時に備えることができるといった理由で設置されているという訳ですね。

本記事では、特に電気代高騰について解説してきました。まだまだ上昇していくことが予想されますので、ぜひ今のうちに検討されてみてはいかがでしょうか。最後までお読みいただき誠にありがとうございました。