蓄電池の使い方(モード)について
- 2022/07/18
- オール電化・家庭用太陽光発電
- 家庭用太陽光
- 家庭用蓄電池
本日は「蓄電池の使い方」について解説します。
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蓄電池の基本的な使い方
家庭用蓄電池の役割は主に2つです。1つは「電気代の節約」、もう1つは「停電対策」です。簡単に2つの役割について説明していきます。
電気代の節約
基本的に蓄電池を単体で導入されるご家庭はほとんどありません。
太陽光発電システムとの連携をすることでより一層の電気代削減を実現することができます。
太陽光発電でつくった電気を充電し、発電することのできない夜間に電力を使用します。
そうすることで、電力会社からの電力を購入する必要がなくなり、その分、電気代を節約することができます。
停電対策
近年、増加傾向にある自然災害から身を守るために、蓄電池を導入される方も増えています。
停電が続く状況では避難所に行くかと思いますが、他の人もいるため話し声や物音がストレスになります。
また、夏場に電気が使えないとなると冷蔵庫やクーラーも使えません。食材がダメになったり、熱中症になったりする危険性があります。
そこで、あらかじめ蓄電しておくことで、電力の供給が途絶えた際に、スムーズにお家で電気を使うことができます。お客様の中には、「停電になったことに気付かなかった」といったお声もあるほどです。
このように蓄電池には、万が一の時に備えて命を守ってくれる機器として大活躍してくれるものなのです。
蓄電池の主な3つのモードをご紹介!
上述したように、蓄電池には電気代削減や停電対策としての役割があります。
これは蓄電池の運転モードによって発揮されるため、目的に応じて運転モードを変える必要があります。この運転モードは大きく分けて3つのモードに分けられます。
- 経済優先モード
- 環境優先モード(グリーンモード)
- 蓄電優先モード(安心モード)
モードの名称はメーカーによって異なりますが、大体は上記で大別されます。
これらの運転モードは、どの役割を優先させたいか、という点で選ぶ必要があります。
運転モードの変更や設定はモニターで簡単に行うことができますのでご安心ください。それでは各モードの特徴を説明していきます。
経済優先モード
経済優先モードとは、蓄電池の経済効果(電気代削減)を優先させるモードになります。
蓄電池単体の場合、昼間の電気料金単価と比較して安い夜間電力を優先的に充電し、太陽光で発電できない時間帯に電気を家庭に流すことで節約することができます。
もし太陽光発電システムと蓄電池が連携しているのであれば、太陽光発電による売電が優先されます。余剰電力を売電に回し、夜間電力を充電することで家庭の経済効果を最大にすることを優先してくれます。
経済効果モードの中には、自動で行ってくれるものと時刻指定ができるものがあります。時刻指定の機能がある場合は、前もって決めた時間帯に蓄電池の放電を行ってくれます。
環境優先モード
環境優先モードとは、電力会社から買う電力をできる限り少なくするモードとなります。
一言で言えば、電力の自給自足を目指すモードとなります。
近年、電気代の高騰が進む中、なるべく電力会社から電力を買わず、賢く電気を使う生活にシフトされる方が増えています。
この運転モードでは、太陽光発電の余剰電力を売電するのではなく、蓄電池に充電することを優先します。
充電しきれない分は売電に回すことができます。
優先順位としては、太陽光発電でつくった電気をまずは家庭で使い、余った電力を蓄電池に充電し、それでも余れば売電するといった流れになります。このモードの場合、太陽光発電システムと連携していない場合は利用することができませんのでご注意ください。
蓄電優先モード
蓄電優先モードは、万が一の災害や停電に備えるモードとなります。蓄電池を常に満充電状態に保つことを優先します。例えば、夜間に蓄電残量が一定の基準より減った場合、電力会社から供給される電力を購入して、一定の残量を保とうとします。
この基準はご自身でも設定することができるため、蓄える電力量は太陽光発電の発電量や電気の利用状況を考慮した上で設定することをオススメします。特に、台風が発生しやすい季節や地震が多い地域は必要性が高いモードといえるでしょう。
どのモードが最もお得なのか?
上記をまとめると下記になります。
運転モード | 優先すること | こんな人にオススメ! |
経済優先モード | 経済効果(売電・節電) | 売電期間がまだ残っている方(~10年目) |
環境優先モード | 自家消費(極力買電しない) | 売電期間が終わってしまった方(10年目~) |
蓄電優先モード | 満充電状態(停電対策) | 子どもやお年寄りをもち非常時に備えたい方 |
蓄電池には電気代削減と停電対策の主に2つの役割がありました。この目的に応じた運転モードの使い分けが、蓄電池を最大限活用する際に大事になります。
経済優先モードでは、経済効果の最大化を優先するため、太陽光発電システムを設置されている方でまだ売電期間が残っている方にオススメしています。
環境優先モードでは、自家消費を優先するため、売電期間が終了してしまった方はこちらのモードをオススメしています。
蓄電優先モードでは、常に満充電状態を優先するため、万が一の非常事態に備えたい方にオススメしています。蓄電優先モードでは、他のモードと比較すると経済効果は高くありませんが、安心レベルをもっと上げたいという人にはうってつけのモードでしょう。
停電時に使用する場合の使い方・注意点
本記事でお伝えしてきたように、電力会社からの電気が供給停止した際、緊急時の備えとして蓄電池は利用できます。
ただし、緊急時に上手く活用できなかったとったお声もあります。
そうならないためにも、万が一の事態でも冷静に対処できるよう、正しい使い方をマスターしてきましょう。
自動的に自立運転モードに切り替える
停電時、自立運転モードへの切り替えが必要になります。
メーカーや商品によって仕様が異なりますが、停電時に自動的に切り替わる設定であれば、操作しなくとも電気を使えるようになります。
そのため、停電になったことに気付かないご家庭もあります。
ただし、この切り替わる時間は機器によって異なる場合があります。
万が一の時に備えて、事前に担当者に確認しておくとよいでしょう。また、電気が復旧した後は、手動で通常モードに戻すのが一般的です。
手動で自立運転モードに切り替える
手動で切り替える場合は、モニターを操作する必要があります。
手動に行うと聞くとハードルが高く感じる方が多くいらっしゃいますが、モニターのボタン1つで切り替えることもできます。
実際の手順は機器によって異なりますが、主電源ブレーカーと太陽光発電のブレーカーをオフにするのが一般的です。
こちらも事前に担当者に確認するか、取扱説明書を読むことで、正しい手順で自立運転モードに切り替えていただければと思います。
停電時に使用する場合の注意点は?
「停電が発生したときに蓄電池が使えない…」といったことがないように、日常的に注意しておいてほしいことを3つにまとめました。
日頃の準備を欠かさず行うことで、停電時に使用できる環境を整えておきましょう。
1.事前に蓄電池の設定を確認しておき、使い方を把握しておく
上述したように、蓄電池が停電時に「自動的に」切り替わるのか、「手動で」切り替える必要があるのかを確認しておきましょう。突然の停電においては、暗闇の中操作することになるため、可能であれば自動的に切り替わる設定にすることをオススメしています。
また、手動で切り替える場合は、どこにブレーカーがあり、どう操作すればモードが切り替わるのか、事前に把握しておくことが重要です。
取扱説明書を読み、何度かシミュレーションしておくことで、停電時に冷静に対処できるようになります。
2.普段から余力を持った電力消費を心がける
停電が発生したときに蓄電残量があまりないとなれば、すぐに電気が使えなくなります。
そうならないために、むやみに消費することは避けましょう。
ただし、万が一の時に備えて残量設定をすることができます。
要は、蓄電容量100%のうち、例えば30%は消費しないといった設定が可能です。
これはご自身でも設定できる場合もあれば、メーカーによって既に設定されている場合もあります。事前に担当者に確認しておきましょう。
3.蓄電池の出力や容量を確認しておく
蓄電池の容量や自立運転モード時の蓄電池の出力を確認しておきましょう。
もし蓄電容量が小さい場合、それだけ停電時に使える電力は少なくなります。
1度に動かせる電化製品の数と時間は容量によって異なりますので、停電時に使用したい電化製品の消費電力量を把握した上で、最適な容量を選ぶ必要があります。
また、100Vのみに対応する蓄電池の場合、それを超える電化製品は使用できません。
商品によって異なりますが、例えばエアコンやIHなどを稼働させるには、一般的に200V必要になります。したがって、200V対応の蓄電池が必要になります。
以上、3点停電時における蓄電池の使い方・注意点を理解した上で、有効的にご活用いただければと思います。
弊社では、蓄電池や太陽光発電に関するご相談を随時受け付けています。使い方が分からない等のお問い合わせも可能です。既に導入をしている方、これから導入を検討されている方は、ぜひこの機会にお問い合わせくださいませ。